例えば、商品やサービスが異なる市場の現地通貨建てであったり、異なる業者に対して異なる通貨で取引されているなど、多通貨管理の要望がある場合、Ragicのシートデザインで実現することが可能です。
Ragicはデータベース設計ツールであり、パッケージシステムではないため、Ragicの多通貨設定は通常のパッケージソフトウェアのプロセスとは異なり、会社の設定でどの通貨を使用するかというボックスにチェックを入れるだけでは完了させることができないのです。データベース内のどのシートやプロセスに多通貨の要件があるのかを全体的に把握し、対応するデザインをシートに取り入れる必要があります。
例えば、会社の製品をヨーロッパとアメリカに販売するため、最初から、商品リストに複数通貨での価格を記録する必要があります。その後、見積書、受注書、出荷指示書、調達プロセス、財務会計関連帳票に至るまで、多通貨のフィールドが追加される可能性があります。
この文章では、金額フィールドと数値フィールドの概念、数値フィールドに数式を合わせて通貨を変換する方法、異通貨間操作の原理について紹介します。ここから多通貨のシステム設計の方向性が理解できると思います。
金額フィールドは数字の値を格納するためにのみ使用され、デフォルトでは値の隣に $ 記号があります。これは任意の通貨値を表す必要はなく、通貨値記号はフィールド形式から調整できます。例えば、 $ から NTD や € もしくは他の通貨記号に変更することが可能です。
同様に、フィールド名に明記のある数値フィールドを使用することで、実際には様々な貨幣を表現することができます。
金額フィールドの通貨記号も、数値フィールドのフィールド名も、ユーザーが目にした値がどの通貨に属するかを判断するための補助に過ぎず、記号やフィールド名がなければ、実際には単なる値の集合が格納されているに過ぎない
多通貨の要求がある場合、他の通貨で値を保存するための新しいフィールドを追加することができます。 例えば、商品の価格は、台湾ドルだけでなく、米ドルやユーロも用意されています。
実際には、多通貨の要件には様々なシナリオがありますので、まずは以下の4つのシナリオを考えてみましょう:
この場合、前の例を直接参照して、新しいフィールドを追加して対応する値を入力するだけです。3つの通貨の場合は、3つの金額または数値フィールドが必要になります。
為替レートフィールドを作成し、元の通貨とターゲット通貨を設定すれば、データを追加する際に、システムが自動的に現在の為替レートを取得し、フィールドに入力します。
その後、数式を適用して元の通貨フィールドと為替レートフィールドを掛け合わせ、目標通貨額を算出できます。
元の通貨を複数の通貨に変換する場合は、通貨ごとに為替レートフィールドと金額フィールドが必要です。
データ入力に使用する為替レートは、必ずしもスポットレートを参照していない場合があります。例えば、過去の取引を記録している場合、システム上に残しておきたい業者からの見積書(業者のレート)を受け取っている場合、特定の銀行から提供されたレートを参照している場合、Ragicの為替レートフィールドを使用して変換することは適切でありません。
そこで、数値フィールドを作成して為替レートを手入力し、数式を適用して元の通貨を別の通貨に変換できます。
2番目のシナリオと同様に、元の通貨を複数の通貨に変換する場合は、通貨ごとに為替レートフィールドと金額フィールドが必要となります。
5つの通貨を日本円に換算するなど、換算する通貨が多くなると、上記の方法では不便です。この場合、通貨を選択肢フィールドとして設定し、元の通貨の金額と為替レートを入力し、計算式を適用して、日本円での対応額を計算する、という代替設計を考えられます。これにより、通貨ごとに為替レートと金額のフィールドを設定する必要はなくなりますが、通貨ごとの為替レートの手入力が必要です。
より多くの通貨を使う必要があり、通貨を選択したら対応する為替レートを自動的に取り込みたい場合、通貨と為替レートを管理する独立したフォームを作成し、リンクと読み込みを設定することが可能です
まず、為替レート情報を別フォームで作成します。
次に、為替レートテーブルの通貨フィールドへのリンクを作成し、複数通貨を必要とするフォームに為替レートを読み込みます。
データ入力の際には、直接通貨を選択し、対応する為替レートを持ち込めます。